2006年 04月 24日
フィンランドからの手紙
|
恩師から手紙が来た。
フィンランド学生生活の窮地から
私を救ってくれた先生。
フィンランド留学は大変だった。
君でも大丈夫だからという
当時の学部長の言葉を信じて
のん気に渡航してしまった。
行ってみるとランドスケープ学科は
フィンランド語でしか授業をしていないし、
ゼミでもちょっと話が盛り上がってくると
すべてフィンランド語になった。
私の英語表現能力の欠如故だろうが、
がんばってもがんばってもなかなか発表の機会はもらえなかった。
ちゃんとしたプレゼンができたのは
前期の3ヶ月でたった一回。
各授業のフィンランド語のプリントを訳する日々が続き、
みんなの輪に下手な英語で無理やり入っていくしかなかった。
この期間に身についたのは
良く言っても度胸だけ。本当につらかった。
後期に入ってこの先生が来た。
フィンランドのランドスケープ史を英語で授業してくれた。
毎授業の後数時間、個人的に時間を取り、
授業の内容をまとめたノートのチェックをし
尽きるまで質問に答えてくれた。
そうして200ページの上る一冊の本ができた。
ノートをまとめて図版や写真を整理した。
プリントアウトして一枚一枚糊付けして製本した。
建築学部の図書館、先生、お世話になった留学課の方、
そして私の4人のみが持つ
世界に唯一のフィンランド・ランドスケープ史英語版。
どうやら先生は本当に出版しようとしてくれていたようだ。
その気持ちだけで天にも昇るほどうれしい。
いつか先生に胸をはって見てもらえるような、
そんな場所をつくることができたらと
心の底から思う。
by supersmile2525
| 2006-04-24 19:29
| 人